「承知いたしました」の意味をきちんと理解出来ていますか?
その上で、「承知いたしました」を適切に使用できていますか?
ビジネスシーン、目上の方とのやり取りで役立つ、間違わない「承知いたしました」の意味と使い方をご紹介いたします。
「承知いたしました」 の意味や使い方とは?
「承知いたしました」の「承知」は、「わかった」という意味です。
正しい敬語に言い換え、間違いのない「わかった」を表現するには、意味を知り、状況に合わせて使用する必要があります。
「承知いたしました」の意味は?
「承知」は「事情などを知る」または「知っている」「わかっている」という意味です。相手の依頼・要求などを把握・理解することです。
「する」は物事を行うことです。行動を進めることです。
「いたす」は「する」のへりくだった言い方です。
合わせると「承知する」や「承知いたす」「承知しました」「承知いたしました」となります。
「了解する」や「わかった」という意味を「承知いたしました」という丁寧な言葉に置き換えています。
「承知いたしました」の使い方は?
目上の方に向けた言葉や、ビジネスシーンでは「わかりました」や「了解です」は使用しません。
「承知する」や「了解です」より「了解しました」や「わかりました」「承知しました」の方が丁寧です。「承知いたしました」はさらに丁寧な言葉になります。間違いのないように正しい表現に言い換えをして使用する必要があります。
取り引き先、目上の方、上司には「承知いたしました」を使用しましょう。
「承知いたしました」は正しい敬語なの?間違い?
敬語の種類をきちんと使いわけていますか?
使いわけられなければ、敬語を使用しても失礼に当たることがありますので注意してください。
正しい敬語表現に言い換え、間違いのないように使用しましょう。
「承知いたしました」は謙譲語
「承知する」は「わかる」の謙譲語です。
敬語の中で謙譲語は、自分をへりくだって表現する言葉です。
- 謙譲語(けんじょうご)
- 尊敬語(そんけいご)
- 丁寧語(ていねいご)
は敬語です。
「承知しました」は敬語です。そのまま使用しても失礼に当たりませんが、「承知いたしました」の方が、より丁寧な意味合いとなります。取り引き先、上司、目上の方には「承知いたしました」を使用します。
「承知いたしました」は敬語
「承知いたしました」は敬語であり、その中の謙譲語に分類されます。
「承知いたす」は「する」の謙譲語です。「しました」は「する」の丁寧語であり、過去形です。
目上の方に対してやビジネスシーンでは、「承知しました」よりも「承知いたしました」を使用した方が好ましいです。
「承知いたしました」は二重敬語?
「承知いたしました」は、二重敬語ではありません。
「承知する」自体は謙譲語ではありませんが、「承知いたす」は「承知する」の謙譲語です。
「承知いたしました」は、謙譲語である「承知いたす」と、丁寧語であり過去形である「しました」から成り立ちます。二重敬語ではありません。
「承知いたしました」の例文
「承知いたしました」を使用した例文をいくつかご紹介いたします。こういった例文は、メールや電話でも使用することができます。
取引先やお客様に使用できる「承知いたしました」は、上司に対しても使えるのでしょうか?
取引先やお客様に使用できる「承知いたしました」の例文
取引先やお客様に依頼、変更を受けた場合の「承知いたしました」の例文をご紹介いたします。上司には通常使用しませんが、かなり上の上司には使用できます。
- 「承知いたしました。明日15時に伺わせていただきます。よろしくお願いいたします。」
- 「承知いたしました。すぐに確認して参ります。」
- 「承知いたしました。明日一番で対応させていただきます。」
- 「承知いたしました。それでは先方に伝えさせていただきます。」
- 「ご訪問時間の変更につきまして、 承知いたしました。 」
- 「ご事情承知いたしました。そのように変更させていただきます。」
- 「その旨承知いたしました。早速、取りかからせていただきます。」
- 「お届け先変更の旨、承知いたしました。指定されたお届け先に配送させていただきます。」
- 「委細承知いたしました。」
社内で使う場合は「承知しました」に言い換える?
社内で上司から依頼を受けた場合は、「承知しました」を用います。
「承知しました」の例文をご紹介いたします。
- 「承知しました。資料を確認して、再度提出します。」
- 「承知しました。資料は明日のお昼までに準備します。」
- 「承知しました。◯◯にはそのように伝えます。」
- 「変更の件、承知しました。すぐに対応します。」
かなり上の上司には、「承知いたしました」を使用できます。
「承知いたしました」と「了解しました」の違い
「承知する」と「了解する」は、同じ意味合いで使用されます。ただし、相手によって使い方が変わります。
「了解しました」は目上の方には使用しません。
それでは、どのような相手や場面で使用すれば良いのでしょうか。
「了解しました」の例文をご紹介します。
「了解しました」の意味と使い分け
「了解」は「わかった」を意味します。
「了解しました」は丁寧語です。敬語ですが謙譲語ではない為、目上の方には適しません。「了解しました」は失礼に当たります。
「了解」に「いたしました」を付ければ謙譲語となります。「承知いたしました」と「了解いたしました」を比べると、「承知いたしました」の方がより丁寧です。目上の方には「承知いたしました」を使用しましょう。
「了解」は、同僚や部下に使用できます。
ビジネスメールや電話対応でも、間違いのないように正しい使い方をしましょう。
「了解しました」の例文
「了解しました」は、同僚や部下に対して使用します。
- 「了解しました。明日、打ち合わせをしましょう。」
- 「17時までに終了する予定ですね。了解しました。」
- 「了解しました。その旨◯◯部長に連絡しておきます。」
- 「その件については了解しました。期日までに間に合うように、そのまま進めてください。」
メールの場合は、部下に対して、この程度の丁寧さはあってもいいです。
「承知いたしました」と「了承しました」の違い
「了承する」は「承知いたす」と同じ「わかる」という意味以外に、違う意味合いが含まれます。その為、使用方法が若干変わります。
「了承しました」のままでは、お客様や取引先相手に使用できません。言い換えをする必要があります。
「了承しました」の意味と使い分け
「了承しました」は、承諾する言葉です。
「理解しました=承知しました」+「それで大丈夫です」という承諾が加わります。
「了承しました」は、部下や後輩などに対して使用される言葉です。
「了承しました」は「了解しました」より丁寧な言葉ですが、目上の方に使用するのは失礼な表現となります。取り引き先や上司に返事をするときには「了承しました」は使用しません。電話やメールでも同じです。気を付けましょう。
「了承しました」を丁寧語にすると「了承いたしました」となります。さらに謙譲語にすると「了承させていただきます」となります。
急ぎの電話やメール等では、早く答えることに重視ししがちです。まだ承諾までに至らない場合で返事に困るときもあります。
相手の言っていることを「理解しました」「把握しました」と伝える意味で「承知いたしました」を使用します。
はっきり理解したことを伝えるだけで使用した「承知いたしました」も、その前後の会話の内容で、「承諾」したと解釈されるかもしれません。ビジネススキルを上げて、使い分けましょう。
「了承しました」の例文
「了承しました」は、上司が部下や同僚に使う表現です。お客様や取引先に使う場合は、言い換えをして使用しましょう。
- 「その件につきまして、了承させていただきます。」
- 「お問い合わせいただいた件につきまして、了承を得させていただきました。」
- 「ご連絡いただきました内容は了承いたしました。」
- 「了承しました。引き続き担当してください。」
- 「この起案を了承して下さい。」
- 「その件につきまして、了承させていただきます。」
↓
(「承知いたしました」に言い換えて使用)
- 「その件につきまして、承知いたしました。早速、変更の手続きをとらせていただきます。」
「承知いたしました」と「かしこまりました」の違い
「承知いたしました」と「かしこまりました」の違いはわかりますか?
取り引き先、目上の方、上司、同僚、後輩、仲の良い友人の誰に使用するのが良いでしょう。
かしこまりましたの意味
「かしこまりました(畏まりました)」は「わかりました」の謙譲語です。意味としては「承知いたしました」と同じです。
同じ「わかりました」の謙譲語である「承知いたしました」より「かしこまりました」の方が丁寧な言葉とされています。
「かしこまりました」の使い方
- 「かしこまりました。その件に関しまして、速やかに対応させていただきます。」
- 「かしこまりました。本日のお洋服に合わせてセットをさせていただきます。」
「かしこまりました」は冒頭に使用するのが通例です。
「かしこまりました」の後に、対応する内容を伝えるようにします。
お客様や取り引き先には適切ですが、「かしこまりました」が堅苦しすぎて適さない場合もあります。使用する相手に合わせて使い分けわけましょう。
「承知いたしました」をビジネスやメールで使う際のコツ!
ビジネスシーンやメールの返信で「承知いたしました」を上手に使いこなす為に必要なことはなんだと思いますか?
適切に使えていてもビジネス表現だけで誠意は伝わると思いますか?
「承知いたしました」に一言付け加えても意味は変わらない?
「承知いたしました」に
- 「ご事情承知いたしました。」
- 「その旨承知いたしました。」
- 「委細承知いたしました。」
等、一言付け加えても「わかった」という意味は変わりません。
状況により使い分けることも時には必要です。
堅苦しいビジネス表現にとられないようにする
取り引き先、お客さま、上司に返事やメール返信をするとき、又は電話対応をするとき「わかった」の敬語である「承知いたしました」「かしこまりました」を使用するのはビジネスマナーです。
ただし使い方によっては、よそよそしい感じや、事務的な印象を与えてしまう場合もあります。それだからといって「了解しました」等、フランクに接すると意味合いが変わってしまいます。
「承知いたしました」の前後に、感謝の気持ちなどを一言添えることで印象も変わります。
先程ご紹介した「ご事情承知いたしました。」「その旨承知いたしました。」「委細承知いたしました。」は、あくまでビジネス表現です。
自分の言葉でさりげなく自然に伝えると、好印象を持ってもらえ、更なる仕事の道も拓けます。
「承知いたしました」のように受け答えを使い分ける
「承知いたしました」「かしこまりました」「了承しました」「了解しました」は、どれも「わかった」という意味です。「わかった」を敬語に言い換えて使われる代表的な言葉です。意識して使い分けわけましょう。
言葉の選択によって印象が変わる
同じくらいのビジネススキルならば、きちんと敬語が使える方が印象が良いです。
「わかった」を意味する「承知」「了承」「了解」は、それぞれ正しい敬語に言い換えて使用する必要があります。ただ丁寧な言葉に言い換えるのではありません。相手に失礼のないように間違いのないように、正しい言葉に言い換える必要があります。
メールでも誤字が多いより、間違いのない方が印象が良いです。敬語の表現も同じです。
まずは使いこなしましょう
まずは「承知いたしました」「かしこまりました」「了承しました」「了解しました」の代表的な言葉を、様々なシーンに合わせて使いこなせるようにしましょう。
「拝承(はいしょう)いたしました」等、他にも表現はあります。
敬語には似た表現が多いですが、相手や状況をよく把握し、適切な言葉を使い分けてください。
取り引き先のみではなく、上司や同僚にも使いわけが必要です。普段から上司にきちんと敬語を使えていますか?言葉の意味を理解して、正しく敬語に言い換えられるように、日常から使うように努力しましょう。
状況をよく理解して使いわけていきましょう
取り引き先、上司や目上の方、同僚、後輩、友人、様々な相手によって言葉が変化します。間違いのないように状況をよく把握して、正しい言葉に言い換えるには、きちんと意味を理解して使用する必要があります。
ビジネスシーンに合わせて使ってください。ただ事務的に使うのではなく、自分の言葉を添えて使用してください。そうすることで誠意が伝わります。また、それが更なるチャンスに変わっていきます。