退職が決まったら、引継ぎはもちろんお世話になった人に退職の挨拶をしなければなりません。しかし、初めて退職する人はどのタイミングで切り出したら良いかも分からないですし、退職の挨拶と言ってもスピーチの内容やメールの内容をどうしたら良いか思いつかないという人も多いでしょう。
そこで、ここでは退職の挨拶をする時のマナーやスピーチする際のポイント、メールで挨拶する場合の文例などなど紹介していきたいと思います。これから転職を控えている人や退職を考えている人は是非参考にして下さいね。
退職挨拶をする時のマナーとは
退職の挨拶はスピーチ、メール、電話、手紙など様々な方法があります。できれば直接会って挨拶をするのが一番良いですが、なかなか会えない場合もありますよね。そこで、どんな手段で退職の挨拶をするにしても気を付けておきたいマナーについて紹介しておきます。
①退職の挨拶をする時は上司の許可をもらった後にしよう
次の職場が決まって、上司に退職の報告をする際、いつ他の人には自分が退職することを伝えて良いのか確認するようにして下さい。あまり早く伝えすぎるのも業務に支障をきたしてしまう恐れがあるので、相手によっては考慮する必要があります。
②会社の愚痴は言わない
退職の挨拶をする時に会社の愚痴を話すのはNGです。全然違う職種に転職したとしても、もしかしたら昔の会社が取引先に…なんていうこともあるかもしれません。そんな時、「〇〇がうちの会社の悪口を言っていた」という噂が流れてしまっては分が悪くなってしまいますよね。退職する時は会社の愚痴は絶対に言わないようにしましょう。
③感謝の気持ちを伝える
退職の挨拶をする時は必ず感謝の気持ちを伝えるようにして下さい。なぜなら、退職の挨拶というものはお世話になった人にお礼や感謝を伝えるためにするからです。とくに親しかった人には、「〇〇の時すごく助けられました。ありがとう。」など詳しくお礼を言うと良いでしょう。
退職のスピーチの際のポイントとは
では、退職の挨拶をスピーチする時に気を付けたいことについて紹介したいと思います。
退職の報告と理由を話す
まず初めに退職の報告となぜ退職をするのか理由を簡潔に述べるようにしましょう。この時、退職の理由を詳しく話すのはNGと言われています。退職理由については一身上の都合ということで長々と話さないようにしましょう。
- 会社の発展や活躍を祈る言葉を添える
お世話になった方々への感謝の気持ちを述べるのはもちろんですが、お世話になった職場にエールを送ることも大事です。これからの会社の発展やお世話になった人たちへの活躍を祈る言葉を締めに必ず持ってくるようにして下さい。
ゆっくり、はっきりと話そう
スピーチを話す時は、ゆっくり大きな声でハキハキと話すようにしましょう。緊張してしまうと、どうしても声が小さくなってしまい、早口になりがちですが、早口で話してしまうと相手も聞き取りにくいし、自分でも何を話しているのか分からなくなってしまうこともあります。
ですので、極力ゆっくり話すようにし、丁寧に言葉を選んでスピーチするよう心がけて下さい。
スピーチは短く、簡潔に
退職挨拶のスピーチは短すぎてもダメですが長すぎも良くないです。お世話になった人たちにたくさん話をしたいという気持ちは分かりますが、長すぎるスピーチはどうしても飽きてしまいます。スピーチの時間の目安としては1~2分程度です。文字数にすると300~600字程度と言われています。
緊張しがちな人は前もって挨拶の文章を考えておくことをおすすめします。
退職挨拶のスピーチの例文
それでは、ここで退職挨拶をする時のスピーチの例文を紹介しておきたいと思います。
本日は、お忙しい中私のためにお時間を作っていただきありがとうございます。私、××は一身上の都合により本日をもって退職させて頂きます。大学卒業して初めての職場が△△だったのですが、右も左も分からない私に上司の〇〇さんをはじめ、たくさんの先輩方に指導頂き、大変感謝しております。
色々失敗することもありましたが、温かく見守っていただき、ここまで成長することができました。職場は今日で離れてしまいますが、この会社で学んだことを忘れず、人生の糧にしたいと思います。最後になりますが、今後の皆さまの活躍とご健康を祈っています。ありがとうございました。
退職挨拶はメールでもOK?退職の挨拶をメールでする時のポイントとは
退職の挨拶と言えば、スピーチがメインな気もしますが急に職場を辞めなくてはいけない時やなかなか会って退職の旨を伝えるのが難しい場合もありますよね。そんな時はメールで退職の挨拶をしましょう。そこで、退職の挨拶をメールでする時のポイントについて紹介しておきたいと思います。
メールを送るタイミングは社内の人と社外の人と分けよう
社内の人と社外の人への退職の挨拶は別物です。社内の人はいわゆる身内なので、一般的には最後の出社日に挨拶をするのが普通です。しかし、職場によっては退職日の数日前といったルールもあったりするので、上司に確認するようにしておきましょう。
そして社外の人にメールを送るタイミングですが、まずは社内に退職することが周知された後になります。社内の人よりも先に社外の人に退職することを伝えるのはマナー違反なので絶対にやってはいけません。
タイミングとしては退職日の2~3週間前に引継ぎの連絡と一緒に行うようにしましょう。いきなり「明日退職します」というのは、取引先の相手の不安を煽る原因になってしまうので余裕をもって挨拶するようにして下さい。
一斉送信でメールを送る場合はBCCで送りましょう
退職挨拶のメールを送る時、同じ文面を一斉送信する場合は必ず相手のアドレスをBCCに入れるようにして下さい。この時、宛先に全員のアドレスを入れてしまうと情報漏洩になってしまうので、気を付けて下さい。
また、個人的にすごくお世話になった相手には個別にメールを送っても良いです。何が嬉しかったのか、など印象に残ったことを伝えると良いでしょう。
退職挨拶のメールの例文
【社内の人宛て】
件名
退職のご挨拶 〇〇事業部 〇〇(名前)
本文
総務課の〇〇です。
このメールはお世話になった皆様へ送っております。
本来であれば、直接お伺いして挨拶すべきところですが、
メールにて失礼させていただきます。
この度、一身上の都合により本日をもちまして退職することになりました。
入社して5年、長い間指導していただき大変感謝しております。
在職中は、迷惑をおかけすることも多々あったと思いますが、
皆様の叱咤激励のお陰でここまでやってくることができました。
この会社で学んだことを新しい職場でも活かし、日々精進して参りたいと思います。
重ねて感謝を申し上げるとともに、会社の発展と皆さまの健康を心よりお祈り申し上げます。
署名 〇〇 〇〇
【社外の人宛て】
件名
退職のご報告 〇〇株式会社 ××(名前)
本文
〇〇株式会社
××部 △△様
いつもお世話になっております。
〇〇株式会社の××です。
この度、一身上の都合により〇月△日をもって退職することになりました。
本来であれば、直接伺って挨拶すべきところですが、
メールでのご挨拶になってしまい、申し訳ございません。
△△様には、いつも温かく協力していただき、本当に助かりました。
ありがとうございました。
今後の業務ですが、同じ部署の□□が担当いたします。
私自身も後3週間は会社にいますのでしっかりと引継ぎをし、後日□□の方から挨拶をさせていただこうと思っております。
最後になりましたが、△△様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。
本当にお世話りなりました。ありがとうございました。
〇〇株式会社 ××
終わり良ければ総て良し!しっかり退職挨拶をして次のステップに進もう!
以上、退職の挨拶をする際のマナーやスピーチのポイント、メールでの挨拶の仕方について解説してきました。多少の不満はあるかもしれませんが、お世話になった会社である以上、最後はしっかり挨拶をしてお互いに気持ち良くお別れしたいですよね。
退職したからと言ってもう二度と会わないというわけではありません。どこかでパッタリ会う可能性は多いにあります。終わり良ければ総て良しという言葉があるように、退職の挨拶はしっかり行い、有終の美を飾れるようにしましょう。