「頑張ります」という言葉は、それだけで既に敬語の中の丁寧語にあたります。
元々の言葉は「頑張る」です。既に敬語の「頑張ります」ですが、さらに丁寧な表現にすることができます。まずは、「頑張る」が敬語ではどう変化していくのかを解説します。
「頑張ります」の敬語は?
尊敬語
「頑張ります」の元の言葉である「頑張る」の尊敬語は、「お励みになる」「ご尽力になる」があります。尊敬語は、相手の動作を主体に考えますので、相手に敬意を払う表現になります。
謙譲語
謙譲語は、自分を下げることで相手を上げる敬語です。「頑張ります」を謙譲語にするためには、まず「頑張ります」を「頑張る」に戻し、「頑張る」の謙譲語にしなければいけません。
尊敬語の主体は、相手ですが、謙譲語は自分を主体にした言い方になります。相手に直接敬意を表していますので、敬語としては、よりあいてを敬っています。「頑張る」の謙譲語は、「努力させていただく」「努めさせていただく」などがあります。
丁寧語
最初に書きましたが、「頑張ります」は、既に「頑張る」の丁寧語ですので、敬語にあたります。言葉を美化したい時に丁寧語は使われます。丁寧語は、日本人独特の上品さを演出できるメリットがあります。ですが、丁寧語は、ビジネスシーンでは、ふさわしくない場合もありますので、使い方に気をつけましょう。
そもそも「頑張ります」ってどんな意味?
「頑張ります」の尊敬語を解説しましたが、そもそも「頑張ります」にはどのような意味があるのでしょうか。「頑張ります」の意味を解説します。
敬語でもある「頑張ります」の意味
解説しましたが、「頑張ります。」は「頑張る」の敬語です。「頑張る」は、「困難なことがあっても、我慢してやりぬく」や「自分の考えや意志を、どこまでも通すために我を張る」「場所を占めて動かない」などの意味があります。3つの意味がある「頑張る」ですが、その中の一つ目が「頑張ります。」の意味になります。
「頑張ります」の敬語の使い方は?
「頑張ります」は、既に敬語ですが、状況ごとで使い方も変わってきます。それぞれの状況別ごとの「頑張ります」について解説します。
ビジネスの場合
ビジネスの場合、敬語の「頑張ります」は、上司や目上の人に声をかけてもらった返答をする際の、主に挨拶や会話シーンで使われます。使う際は、ストレートに「頑張ります」と伝えれば好印象ですので、声のトーンや表情も気をつけましょう。
「ありがとうございます。精一杯お力になれますよう頑張らせていただきます。」や「ご期待に添えるように、背一杯頑張ります。」「今後とも頑張りますので、どうぞよろしくお願いいたします。」などのように使用します。
就活の場合
就活は、社会人になる前の勉強期間であり、準備期間でもあります。ビジネスマナーが基本ですので、敬語ができるのは必須です。また、自己PRの際に「頑張ります」という意欲を見せる必要もあります。「頑張ります」も敬語ですが、さらに敬意を持った表現や言葉を使えば、印象も良くなります。
就活の場合は、相手への敬意を示す「お励みになる」や「ご尽力になる」だけではなく、相手を立てる「努力させていただく」や「努めさせていただく」も使ってみましょう。
メールの場合
メールは、ビジネスシーンでは必須です。就活でも面接の申し込みなどで、メールを使用する場合もあります。メール内で「頑張ります」という意欲を伝えるのは重要ですが、意味の取れない言葉は、目上の人に対して、きちんとした内容を送れなければ意味がありません。メールでの敬語の使い方は、手紙を書く際の使い方とよく似ています。
さらに、メールの文末には、「頑張ります」の意欲を伝えた後に、「よろしくお願いします」という結びの言葉をつけておけば、さらに丁寧になります。敬語を勉強して、相手に失礼がない書き方をしましょう。
婚活の場合
婚活の場合は、結婚相談所に登録し、プロフィールを作る際、「頑張ります」を自分の魅力アピールのために使います。人によっては料理だったり、趣味だったりいろいろ変化します。また、これから頑張ろうとすることに対しても、「頑張ります」と書くことができます。
相手別「頑張ります」の使い方はどうする?
「頑張ります」という敬語は、状況や人によって使い方が異なります。実際には、どのように違うのでしょうか。相手別で「頑張ります」という敬語がどう違うのかを解説します。
お客様の場合
お客様の場合、通常で考えるならば、相手の方が立場が上です。場合によっては、ビジネスでの取引相手になることもあります。「がんばります。」は敬語ですが、さらに上の表現にした方が相手への印象も良くなります。
「お役に立てますよう、精進して参ります」や「ご期待に添えるよう、鋭意努力いたします」などの使い方をすると丁寧です。
目上の人の場合
目上の人の場合は、職場では先輩や上司など、自分より上の立場の人になりますので、「頑張ります」という敬語で十分の場合もありますが、さらに丁寧な敬語を使えば、印象もよくなります。状況に応じて、敬語を使い分けましょう。
後輩や年下の場合
後輩や年下の場合は、基本的に敬語は使わなくてもよく、「頑張ります」を言ってくる方だと考えている人は、間違いです。ビジネスでは、後輩でも上司になることはありますし、年下の上司も当たり前にいます。その場合は、相手に敬意を払い、ビジネスで上司に使う敬語をきちんと使うようにしましょう。
その他の「頑張ります」
ビジネスシーンで使うことが多いですが、「頑張ります」は相手に投げかける言葉として使われる場合もあります。「頑張ります?」と、現在頑張っている人もしくは、失敗することがほぼ確定している状況のなのに挑戦しようとしている人に対して使われます。言葉としては、「もうやめた方がいいんじゃない?」という意味が含まれていることが多いです。
しかし、頑張り続ける人は、「まだ頑張ります」と答えますし、そうでない人は「もうやめます」と答えます。
「頑張ります」の例文を作ってみよう
「頑張ります」という敬語は、その時の状況によって、使い方も変化してきます。状況別でどう使用すればいいのか解説します。簡単な例文はありますが、自分でも作ってみましょう。
仕事の場合
仕事の場合、「頑張ります」は、その状況によって一番変化します。同期で敬語を使い合う同僚の場合でしたら「頑張ります」で大丈夫ですが、上司からプロジェクトの指示をもらい、大きい仕事の場合は、「頑張らさせていただきます。」となります。さらに社長から社運をかけた大仕事の場合などでは「鋭意努力いたします。」と変化します。
逆に上司ではないおなじ年の同僚や、年下の同僚の場合、「頑張るよ」とざっくばらんに言えますので、敬語の「頑張ります」を使う必要はありませんが、皆の前で内容を発表し決意表明をする際には「頑張ります」という表現を使います。
仕事以外
人によっては、仕事以外に「頑張ります」を使う場合があります。遊びの時間だったり、趣味の時間だったり、家族と過ごす時間だったりです。作ろうと考えなければなかなか作れない時間のための「頑張ります」です。例文としては「この趣味は続きそうなので、頑張ります。」などがあります。
精一杯
精一杯は、「頑張ります」よりも一段階上の努力を表現します。上司や後輩関係なく、自分への決意表明として使用することもあります。また、謝罪文で、なんとか許してもらいために「この度の件、精一杯対応させていただきます」と表現することで、しっかり対応してくれている良い印象を与えます。
「頑張ります」を使ってみよう
「頑張ります」という言葉は、いろいろな表現がありますが、どれも物事を前向きにとらえ、努力している状況を相手に伝えてくれます。「鋭意」や「精一杯」という言葉を加えるとさらに「頑張ります」という言葉が前向きな言葉になります。
ビジネスシーンで使うことも多い「頑張ります」をマスターして、前向きな表現ができるようにしましょう。